忍者ブログ
| Admin | Write | Comment |
夫が[アルコール依存症][統合失調症]と言われた4年前。家出、借金、交通事故…。 前世療法に出会い、見つめなおした夫婦の絆。 家庭崩壊から再出発までの日々を綴った家族の記録。
2024/04. 10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30 
[1]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アルコール依存症ではない。

だったら、どこへ行けばいいんだろう。

誰に相談したらいいんだろう・・・

そんな不安を抱きながら、私は親しくしていた保健師さんと会った

医療従事者としてのアドバイスがすすでいく。

彼女は、本当に素晴らしい人だった。

保健師としての知識だけでなく、心理を深く学び

自殺志願者の電話相談も受け付ける、いのちの電話の相談員も兼ねていた。

彼女からの言葉は、本当に私を救い上げるものだった。

彼女と話していると、息が出来た。


そんな彼女が、うちに遊びに来てくれた。

夕飯を食べながら、会話が少し外れていく。

そう。

今まで思っても見なかった方向に・・・

それは、目に見えない世界に踏み出す第一歩だった。

「ねえ、Aさん。とり憑かれるとか、どう?ない??」

「あー。それもありかも。

そういう方向で考えてみるのも、いいかもねー」

彼女なりに、今まで不可解な行動に疑問を持っていたのかもしれない。

保健師としての知識、それからも理解できない域であったことは間違いないのだから・・・
PR
アルコール依存症ではない・・・

その言葉は私にとって、とても重大な言葉だった。

病気なら治る。

しかし、病気ではなかったら?

テッチャンは今のままなのかもしれない・・・

どうしたらいいんだろう・・・

どうしたらいいのか分からなくなってしまった。





数日後、紹介状を手に病院を訪れた。

アルコールの専門医O先生に会うためである。

初めて会ったO先生は、50代の優しそうな中にベテラン医師のかもし出す迫力があった。

『こんにちは。はじめまして。紹介状読みましたよ。

ご主人ねー。どうも、アルコール依存症とは思えないんですよねー。』

『え?』

私は驚いた。

先生は続けた。

『アルコール依存症というのは、飲む量ではないんですよ。

コップ一杯でも依存症の人はたくさんいます。飲まないといられない人が依存症。

普通に社会的地位もある人が、家に帰ると依存症という場合もあります。

でも、ご主人はそれには当てはまらない。』

『では、病気ではないんですか?』

『そうだねー。僕、ご主人に興味あるなー。会ってみたいけど・・・』

『とても病院に行こうなんていって、素直に来るとは思えません。』

『だろうね。でも、彼、どうしてこんなことしてるんだろう。』

『・・・』

私は黙り込んだ。

どうしたらいい?わからない・・・

O先生は言った。

『彼、間違いなくアルコール依存症じゃないよ。』

 

じゃー、なんなの???

私はまた、振り出しに戻った気がした。

 

私のHP セラピールームはな は↓

http://chi-miwa.lovepop.jp/

診察の順番が来た。

初めて入る精神病院の診察室は、普通の病院となんら変わらなかった。

しかし、窓には鉄格子があった。

鉄格子の向こうに、青い空が見えた。

先生は紹介状を手に、机に向かっていた。

私は今までの手帳を見せた。

「今、こんな様子でいます。」

「そうですねー。コレは異常ですよね?」

「・・・」

「もし、コレが正常でできるなら、ですよ。こんなことが普通の人間に考えられますか?

子供が生まれたばかりにもかかわらず、こんな酒の飲み方をする。家にも帰らない。

奥さんだったらどう思いますか?正常だと思いますか?」

私は、ほっとした

こんなことを言われてホッとするのはおかしいかもしれない。

でも、病気なら治る。

良かった。

これはやっぱり本当のテッチャンじゃなかったんだ。

病気が治れば、また、今までみたいに生活できるじゃん。

私は単純にそう思った。

先生が続ける。

「私はアルコールの専門ではありません。

この病院には全国的に有名なアルコールの専門医がいます。

その先生に紹介状を書きます。

ご主人は、入院が必要でしょう。」

「そうですか。でも、本人が病院に来るとは思えません・・・」

「詳しいことは、O先生と相談してください。」

「分かりましたぁ・・・」

そして、診察時間は終わった。

 

駐車場から出るのに、アルコール依存症患者の専門病棟とやらを覗いてみた。

うーん・・・

やっぱり鉄格子・・・なのね・・・

正直、自分の旦那がそこに入院することになるのかと思うと、

自分はなんて不幸なことになってしまったんだと情けなかった。

私のセラピールームはなHPは↓

http://chi-miwa.lovepop.jp

私は、病院に相談に行くことにした。

とりあえず、朝まで布団で寝られるようにと思い、

近所の内科で精神安定剤を処方してくれるという病院に行って見た。

産後、2週間目のことである。

私はテッチャンの行動を手帳につけていたので、それを持参した。

 

最初、先生に訳を話した。

『主人が最近様子がおかしくて、朝まで布団で寝ることができません。

体も疲れていると思うので、何か休めるお薬はないでしょうか?』

そして、手帳を見せた。

しかし、先生は

『心療内科を紹介しましょう。これでは精神安定剤を処方するわけにはいきません。

今日午後なら診察していますから、このまま行きますか?』

 

虎太郎を置いてきていたので、母に電話し私はそのまま心療内科へ行った。

受付で紹介状を渡した。

診察の順番が来た。

私は、手帳を見せようとした。

でも、先生は、手帳を見ようともしなかった。

『ごめんなさいね。ここ(心療内科)では手に負えません。精神科を紹介します。

どこが良いですか?』

『どこが良いと言われても・・・どこにあるんでしょうか?』

見せられた表には、知らない人は居ないだろう地元の大きな精神病院の名が連なっていた。

私は大きなショックを受けた。

 

なぜ、こんな事になってしまったんだろう・・・

なんでテッチャンが・・・なんで私が・・・紅葉はどうなるの?・・・虎太郎はどうなるの?・・・

 

でも、私はここで諦めるわけにはいかなかった。

病気なら、それで良い。

病気なら、治るじゃないか!!私は力強くそう思った。

 

そしてそのまま、S病院に行った。

生まれてはじめての精神病院。

鉄格子の中に、人影があった。

何か叫びながら、歩いてくる人がいた。

落ちつかなそうに貧乏ゆすりをする人。

なにやら、こちらをじっと見ている人。

家族に付き添われ、順番を待っている人。・・・。

私は衝撃を受けた。

少しだけ、涙が出た。

 

虎太郎を連れて、自宅に帰る日が来た。

私の両親と同居していたため、

「里帰り出産」で夫と離れるということはなかったが

家族で自宅に居ながらにして、一緒に居る時間はないという

異常事態が起こっていた。

 

テッチャンの行動はエスカレートしていた。

 

虎太郎が自宅で迎える初めての夜。

ふと私が目を覚ますと、

テッチャンの姿はない。

布団をまくって見る・・・。

クッションが丸められ、まるで寝ているように

カモフラージュされていた。

酷い悪意が溢れているように感じられた。

私はもう、限界だと思った。

そして、母が生活する部屋へ

子供二人を連れ逃げることにした。

 

 

 

テッチャンと過ごす勇気がなくなったのだ。

生まれたばかりの子供を、抱くこともなく

テッチャンは一人、

人としての道・・・自分の人生から脱線し始めていた

 

 

 

出産を間近に控え、一層テッチャンは異常な行動をとるようになっていった。

もちろん家には帰ってこない。

私はどうしていいか分からなかった。

協力者となるべき人からは

『放っておいてやってくれ。哲也の好きにさせるように』

という言葉が返ってくるだけだった。

『出産になったら、タクシーに乗って病院に行き、生まれたらメールで連絡して。

電話して機嫌が悪くなるといけないから・・・。』

私は、本当に辛かった。

母や友人に支えられ、やっとの思いで生きていた。

 

2003年2月10日の夜、出産の兆候が見られた。

近所のおばちゃんに病院に送ってもらった。

もちろん、テッチャンは居なかった。

一度帰宅していいと許可が出たので、私はタクシーで帰宅した。

念のため、テッチャンに電話したが

『あーそう。帰れないから頑張って。』

それだけだった。

 

次の日。

立会い出産となった。

陣痛に耐える私を義父とテッチャンは横目で眺めていた。

本当に、辛かった。

 

12時07分。

虎太郎誕生。

しかし、テッチャンにとって立会い出産は『珍しいもの』でしかなかった。

 

テッチャンは立会い出産について自慢げに

《とても親とは思えない感想》を会社で披露していたと聞いた。

 

年が明け、甲府は一段と寒さが増してくる季節が来た。

テッチャンは相変わらずだった。

夕方電話をして『帰れない』事を告げる。

私は、毎晩泣きながら帰りを待った。

大きなお腹で、椅子に座り

車が通り過ぎてゆくのを見ていた。

だんだんと夜が明け、辺りは明るくなる。

それでもテッチャンは帰ってこなかった。

自分が惨めだった。

捜しに行こうにも、こんな体では到底車の運転など出来ない。

しかも、切迫早産で安静にしていなければいけなかった。

本当は、椅子に座って朝まで待つなんて事さえ

医者にばれたら許されないことだった。

 

朝日が昇る頃、真っ赤な目をしててっちゃんは帰ってきた。

そしてまた、仕事に出かけるといって出て行くのだった。

そんな日々の中、早産を心配しながら

私は臨月を迎えた。

 

私のセラピールームはなの紹介はこちら

http://chi-miwa.lovepop.jp/

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへランキング参加中です。ポチットご協力お願いします。

紅葉を本当に可愛がったテッチャン。

私が風邪を引いたときには

紅葉の離乳食を作ったりしてくれた。

私が結婚式にお呼ばれのときは

紅葉をおんぶして

洗濯や掃除をしてくれた。


そんなテッチャンが、家に帰ってこなくなったのだ。

毎晩6時を過ぎた頃、連絡がある。

『今から葬儀の打ち合わせに行ってくる』

家に帰れないという正当な理由をこじつけていたのだろう。

しかし、社員として働いていた私は代理店のテッチャンよりも会社の内部の動きは把握していた。

そんな時間から打ち合わせがあるのはごくまれだ。

ほとんど無いに等しい。

それなのに、それを毎日毎日繰り返す

何かがおかしい・・・。少しずつ感じてきた不安と恐怖。

真実を確かめたくても、臨月の私には

車の運転さえ出来ない。

確かめる術がなかった。

家に帰ってくるのは朝方。

『喪家で寝てしまった』

そんなアホナコトガある訳もなく。明らかに嘘なのである。

仏様の居る家で寝てしまう葬儀屋が居るならば、私の目の前に連れて来いという感じである。

『フルーツ公園で夜景を見ていた』

夜景など見に行ったこともないやつが、そんな言い訳を始めた。

そして、明け方家に戻っては数時間寝て、仕事に出かける。

おそらく当時は仕事などしていなかったのだろう。

まっすぐに家に帰ってきた日には、ウィスキーを一晩で飲み干す。

布団では寝ずにコタツにうずくまるのだ

そして、深夜に出かけていく。

 

12月の終わり。

決定的に、《おかしい》と感じた出来事が起こった。

洒落男のテッチャンは、友人とのみに行くだけで、服を新調するようなヤツだ。

風呂に入り、念入りに髪をセットして出かけるはずが、

汚い毛玉だらけのスエットにはんてんと言う格好で出かけていったのである。

これは完全に神経がイカレテイル

私は確信したのだった。

 

私のセラピールームはなの紹介はこちら

http://chi-miwa.lovepop.jp/

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへランキング参加中です。ポチットご協力お願いします。

2001年12月。紅葉が生まれた。女の子。

とても可愛かった。てっちゃんも紅葉の誕生を喜んだ。

 

その半年後。

また、妊娠していることが分かった。

あまり妊娠期間を健康に過ごせない私は、すごく不安になった。

また入院しなければならないかもしれない。

また切迫流早産の繰り返しで絶対安静の寝たきりになるかもしれない。

紅葉を置いて、そんなことは出来ない。

でも、無事に乗り越えて生まれさえすればこんなに可愛い子供に会えるんだ。

本当に悩んだ。

そして、産むことを決めた。

しかし、テッチャンの変化はこの頃から現れていた。

激動の始まりは、

この妊娠だったのだ。

私のセラピールームはなの紹介はこちら

http://chi-miwa.lovepop.jp/

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへランキング参加中です。ポチットご協力お願いします。

  • ご注意ください
このブログは、私個人の体験と主人の変わっていく様子をつづったものです。 医師の診断を批判したり、否定するものではありません。ご承知の上、閲覧していただきますようにお願いしたします。
  • プロフィール
HN:
miwa
性別:
女性
職業:
セラピスト 
自己紹介:
幸せな結婚生活を夢見た私が結婚後すぐに直面したのは夫の家出。借金。そして家庭崩壊。
セラピーに出会い、ヒーラーとしての道を選んだ私は一年半の苦難を乗り超えて、今、夫そして3人の子供たちと支えあい生きています。
”セラピールームはな”主催。
  • カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
  • アーカイブ
  • バーコード
  • アクセス解析
Copyright © 前世から絆 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics  Template by Kaie
忍者ブログ [PR]