紅葉を本当に可愛がったテッチャン。
私が風邪を引いたときには
紅葉の離乳食を作ったりしてくれた。
私が結婚式にお呼ばれのときは
紅葉をおんぶして
洗濯や掃除をしてくれた。
そんなテッチャンが、家に帰ってこなくなったのだ。
毎晩6時を過ぎた頃、連絡がある。
『今から葬儀の打ち合わせに行ってくる』
家に帰れないという正当な理由をこじつけていたのだろう。
しかし、社員として働いていた私は代理店のテッチャンよりも会社の内部の動きは把握していた。
そんな時間から打ち合わせがあるのはごくまれだ。
ほとんど無いに等しい。
それなのに、それを毎日毎日繰り返す。
何かがおかしい・・・。少しずつ感じてきた不安と恐怖。
真実を確かめたくても、臨月の私には
車の運転さえ出来ない。
確かめる術がなかった。
家に帰ってくるのは朝方。
『喪家で寝てしまった』
そんなアホナコトガある訳もなく。明らかに嘘なのである。
仏様の居る家で寝てしまう葬儀屋が居るならば、私の目の前に連れて来いという感じである。
『フルーツ公園で夜景を見ていた』
夜景など見に行ったこともないやつが、そんな言い訳を始めた。
そして、明け方家に戻っては数時間寝て、仕事に出かける。
おそらく当時は仕事などしていなかったのだろう。
まっすぐに家に帰ってきた日には、ウィスキーを一晩で飲み干す。
布団では寝ずにコタツにうずくまるのだ。
そして、深夜に出かけていく。
12月の終わり。
決定的に、《おかしい》と感じた出来事が起こった。
洒落男のテッチャンは、友人とのみに行くだけで、服を新調するようなヤツだ。
風呂に入り、念入りに髪をセットして出かけるはずが、
汚い毛玉だらけのスエットにはんてんと言う格好で出かけていったのである。
これは完全に神経がイカレテイルと
私は確信したのだった。
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セラピーに出会い、ヒーラーとしての道を選んだ私は一年半の苦難を乗り超えて、今、夫そして3人の子供たちと支えあい生きています。
”セラピールームはな”主催。
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